IT企業にとっての淡路島の拠点価値

ここ数年、都心部のIT企業が地方に拠点を開設する動きが少しづつ増えてきました。

田舎で自然に触れながらゆったりとした生活の中で仕事をしたい、というエンジニアが増えてきたのも理由にありますが、都心部でのエンジニア採用難という事情も大きく影響しているそうです。

そうした理由もあり地方に拠点を作る動きが増えているのですが、課題はいくつかあるようです。

遠隔作業で必ずしも本社勤務と100%同じ生産性を再現できないといったことやコミュニケーション、有志による勉強会でのスキルアップの機会の少なさなどそれぞれの地域や企業特性によって内容はまちまちですが、いわゆる過疎地域では「足もとにマーケットがない」ことによって拡張性に欠けるという課題も中にはあるようです。

足もとのマーケットという点で言えば、淡路島は非常に魅力的な土地です。年間の観光客数は東京ディズニーランドやUSJの入場者数に匹敵し、さらに年々増加傾向にあります。平均客単価には差があるでしょうが、今後数年でそれら日本のトップレベルのテーマパークを観光客数で大きく抜く可能性もあります。客単価の改善はいくらでも方法はあるので地域の課題と言うレベルでもなく、そのうち観光事業会社さんが自然に解消していくことでしょう。直近では、大阪での万博開催決定を含むIR法案によるインバウンド増を期待してか、対岸の淡路島でも国立公園の大規模リゾート開発計画もあります。

このように今後も観光面の伸びに伴って、付加価値増大や業務効率化など様々なIT需要も増えていくことが予想されます。ちなみに、沖縄や伊勢神宮の年間観光客数は1,000万人弱、大阪のインバウンド観光客は1,200万人だそうです。

また、農業面でも島の中心点から片道で30~40分でかなりの範囲に到達できる淡路島の中には、平地や狭小地、急斜面など様々な立地の農地があり、もし農業向けIoTやロボットの研究開発拠点とするならば、最も重要な要素のひとつである営農者との密接なコミュニケーションも可能でしょう。もし研究開発チームに地元淡路島のエンジニアがいれば、親戚縁者に高確率で営農者が存在するので接点は持ちやすくなります。

さらに農業GDPを見ても、淡路島単体で他の近畿圏のいくつかの県と引けを取らない、もしくは超えているところも見受けられます。

島といっても、全体で人口約13万人を抱え、観光も非常に強く、農業もそれなりの生産量を持つ淡路島ですが、関西に拠点を持たない関東や九州方面のIT企業には、都市部のエンジニア採用難を避けた淡路島での拠点設置は、大阪神戸や中国地方東部、四国地方東部の企業の開拓が可能な立地とも考えられます。

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